田中のブログ

趣味の話ばかり。

竈門炭治郎に一夜を潰された物理学徒の話

こんにちは、田中です。

 

鬼滅の刃、大人気ですね。映画も公開されて日に日に社会現象が加速している気がします。鬼滅の刃がこれほどまでに人気になったのは、やはりアニメ化が大きいですよね。アニメ放送開始(2019年4月)から話題になり、主題歌も大人気!これはブームに乗るしかない!という時に私は鬼滅の刃を全く知りませんでした。

 

主人公の名前が竈門炭治郎であることも、主題歌の紅蓮華も全く…

 

そんな私がアニメ「鬼滅の刃」の存在を知るのは2019年12月の事でした。当時アマゾンプライムで視聴し、それはもうドハマりしました。現在は単行本の最新刊まで読んでますし、無限列車編も見に行きました。

 

この流れだと鬼滅の刃の面白いところを語り始めそうなので、流れを変えましょう。

 

 

私は竈門炭治郎をある一件で恨んでいるんですよ。

 

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201203230314j:plain

 

2020年1月某日、私は一つのレポートに明け暮れていました。

大学生の1月と言えば、学期末です。

つまり期末テストや期末レポートの季節です。

私が取り掛かっていたのは、ある授業の期末レポートでした。そのレポートが授業の成績を左右するので、手は抜けません。しかし、年末年始は特に何もせずグータラしていたので提出期限が近づいていました。

「急いでこのレポートを完成させなければいけない!」とまあまあ焦っていました。ではそのレポートのテーマというのは

「現実世界でもアニメの世界でも漫画の世界でも良いので、何らかの現象で発生するエネルギーを求めよ」

というものでした。例えば「ドラゴンボールの悟空の出すかめはめ波のエネルギーを物理的に求めてみた!」や「松岡修造の熱量を計算してみた!」みたいな自由なテーマで良いので、とにかくエネルギーを求めよという課題でした。

www.youtube.com

(↑こういうノリで計算していくイメージ。これよりはもう少し真面目だけど、この動画もとても面白いので見よう!)

 

松岡修造のように現実に存在する生物や物理現象のエネルギーを求めても良いのですが、せっかくアニメの世界の話でも良いよ、と言ってくれているのでアニメにしたいですよねえ。それも最近ホットなアニメを選びたいですよねえ…

 

鬼滅の刃、ついこの前見たじゃん…!」

 

アニメ放送終了から半年以上経ってるものの、鬼滅の刃は12月に視聴したので私目線では直近の話題でした。ということでアニメ「鬼滅の刃」の中から疑問に思う事を見出して、それを物理的に考えようとしたんです。

 

「そういえば竈門炭治郎って大きな岩を刀で切ってたな…」

 

第三話、炭治郎が鍛錬を積み重ねるシーンで育手の鱗滝から「岩を切れ」という課題が出されます。

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201026095606j:plain

もう教えることはないと炭治郎に最後の試練を残す鱗滝

「こんなの刀で切れるわけないだろ!!!!!」

 

炭治郎も「そもそも岩って切るものだっけ…?」と言っています。

 

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201026100208j:plain

岩がデカすぎる

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201026100240j:plain

日々、岩を切り続ける炭治郎

 

結論を言ってしまえば、炭治郎は刀で岩を切るんですよね。それも一太刀で。そこまでの経緯はアニメを見てください。良いシーンなので。

 

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201026101309j:plain

まじか…ってなってる炭治郎

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201026101349j:plain

しっかり刀身が岩に入ってますね…

こんな事が可能なのでしょうか。いや出来ないでしょう。(反語)

まあ漫画・アニメの話なので現実的に考えるのはナンセンスかもしれません。でも考えなければいけないんです!レポートを書かないといけないので!

アニメの世界を物理的に考える時は、都合の良い解釈は必要です。この場合、現実でやったらまず刀が刃毀れするでしょう。ですから刃毀れしないような状況をこちら側から提示してあげる必要があると思うんです。上の画像では、刀身はしっかりと岩に入っていますが刀は岩に届いていないと仮定しましょう、届いていたら刃毀れルートなので。刃が岩に届いていないのに切れる状況とは…?真っ先に浮かんだのは「衝撃波」でした。衝撃波とは物体が音速を超える速さで移動するときに周りに発生する圧力の波であり、他にも爆発現象のまわりで見受けられます。(爆轟と言ったりもします)

 

つまり私の主張は

 

「炭治郎の刀は岩に入っていないが、音速以上の速さで刀を振り下ろしたため、刀の周りに強い衝撃波が生じ、その衝撃波によって岩が切断された」

 

ということです。物理的方針は定まりましたので、ここからエネルギーを計算していこう!!ってあれ…?

 

「衝撃波の強さってどうやって出すんだ?」

 

当時、大学一年生の時点で衝撃波についての知識はほとんどありませんでした。

 

単純に刀を振り下ろした前と後の力学的エネルギーの差から求める…?

いやいやエネルギーが小さすぎるだろう…岩切れねえよ…

とまあ、高校物理の知識程度では到底太刀打ちできない課題なんです。

 

こんな時はWikipediaでしょ!

安直千万な理系大学生はWikipediaに頼りがちですよね。(あと金沢〇業大学のpdfも

 

一通り調べた結果、衝撃波の威力というものは非常に複雑に表されるということが分かりました。

 

私が求めていたのはエネルギーなので、[J](ジュール)が分かればレポート終了なんですけどね。衝撃波の威力は、前後の圧力比・温度比・密度比・速度比などで示されるらしいです。私の知りたいジュールでは少なくともない訳ですね。仮に前後の圧力・温度・密度・速度が分かっていればそこから地道にエネルギー変換をしていけばよいのですが、これがまた難しいンですわ…

 

課題開始から約二時間、日付が回り夜中になってしまいました。

 

どうやら衝撃波に関する上記の比を求めるには、“ある式”が重要だという事が分かりました。

 

ランキン・ユゴニオの式

 

なんですかこれは?全然知らないし、ぱっと見チョ~ムズそうじゃない!

(これって一夜で履修できる内容じゃないだろ・・・)

ランキン・ユゴニオの式 - Wikipedia

この関係式は、衝撃波の前後にある物理量の関係を表す式…だそうです。

私は涙目になりながら必死になって文献を漁りました…

 

どうか、どうかこの俺に分かるように説明してくれッッ・・・!!!!

 

俺は長男だから眠くても、辛くても、レポートを書くのをやめない!!

 

一度は衝撃波から離れて、岩目線でも考えました。

(岩を真っ二つにするために必要なエネルギーとは?物を切断する時に働く力の求め方は?.etc)

 

岩目線でも駄目なものは駄目でした。当時の私は真夜中で睡魔と戦う中だったのでパフォーマンスが良くなかったのでしょう。やたら難しいことに挑戦しようとして結局分からず終いでしたね。

 

炭治郎「夜明けが近い・・・」

 

時刻は朝の四時でした。手元にあるレポートは、一枚程度しか書けておらず、かれこれ四時間は文章が進んでいません。

 

私は、ただオールして“文献漁り”(ネットサーフィン)してただけ・・・?!

 

その事実が深く胸に突き刺さります。無駄な時間過ごすと結構凹むよね。

元はといえば炭治郎のせいじゃないか。なんで岩なんて切るかねェッ!!?(怒り)

 

苛立ちながら私の大切な学期末の夜が一夜終わります。こんなことしてないで、テスト勉強したら良かったのに・・・ああ、でも計6時間近く悩んだ課題からやっっっっっっと解放される・・・みたいな偽りの安堵感を胸に刻みつつ寝ました。

f:id:tanaka_oh_tanaka:20201203224520j:plain

 

これにて私の無限課題編が終わります。

 

以上の事から私は竈門少年を恨んでいる訳ですね。逆恨みも甚だしい。

 

後日談ですが、そのレポートは全く別のテーマに書き変えて提出しました。かなしいね。

 

PS.明日はいよいよ鬼滅の刃最終巻発売なので、一早く手に入れたいものです。このブログは映画無限列車編が公開された10月に書き始めたものですが、大学の方が忙しくて手が止まり二か月越しの投稿となりました。